通信速度が遅いことは動画視聴やオンラインゲーム、ビデオ通話などをするうえでストレスを感じる原因です。しかし通信速度が遅い原因がわからず、対処法に悩む人は多くいます。この記事ではスマホの通信速度が遅くなる原因やすぐに試せる対処法、根本的な改善策などを解説します。
記事を読めばご家庭のネット環境の問題を特定し、インターネットを快適に利用することが可能です。
スマホの通信速度が遅いと感じる瞬間

スマホの通信速度が遅いと感じる場面は以下のとおりです。
- ストリーミング中
- オンラインゲームのプレイ中
- ビデオ通話の最中
ストリーミング中
映画や音楽のストリーミング再生中はスマホの通信速度が遅いと感じる場面の一つです。ストリーミングサービスは、インターネットからデータを少しずつ受け取りながら映像や音声を再生する仕組みです。通信が不安定になるとデータの受け取りが再生に追いつかなくなり、さまざまな不具合が発生します。
ストリーミング中の不具合として以下の例が挙げられます。
- 映画やドラマの盛り上がる場面で映像が止まる
- 子どもに見せているYouTubeがカクカクして子どもがぐずる
- 動画の画質が急に荒くなり、字幕や人の表情が見えにくくなる
- BGM代わりに流している音楽がブツブツ途切れる
- 好きなアーティストのライブ配信が遅れて、臨場感がなくなる
オンラインゲームのプレイ中

オンラインゲームのプレイ中も、スマホの通信速度の遅さがストレスの原因になります。他のプレイヤーと競ったり、仲間と協力したりするゲームでは、ほんの一瞬の遅れが勝敗を左右することもあります。通信速度が遅いとオンラインゲームのプレイ中に以下の不具合が生じ、せっかくのゲームを心から楽しめません。
- キャラクターのカクつき
- 操作の遅延
- マッチングの遅延
- 通信の切断
- 更新の遅延
- ボイスチャットの途切れ
ビデオ通話の最中
ビデオ通話の最中も、スマホの通信速度が遅いと感じやすい場面の一つです。ビデオ通話は映像と音声をリアルタイムでやり取りするため、多くのデータ通信が必要です。通信速度が足りなければ、映像のカクつきやモザイク化が生じたり、音声が途切れたりしやすくなります。
ビデオ通話の最中に通信の問題が生じると、大切な人との時間や仕事の進行に影響を与えてしまいます。
スマホの通信速度が遅い原因

スマホの通信速度が遅い原因は以下のとおりです。
- 使用デバイスの問題
- ルーターなどの接続機器の問題
- 回線の問題
- サーバー側の問題
使用デバイスの問題
デバイス本体の状態がスマホの通信速度を低下させる要因になることがあります。使っている端末の性能が足りなかったり、設定に問題があったりすると、回線が速くても能力を十分に引き出せません。使用デバイスに以下の問題がある場合、通信速度が遅くなる可能性があります。
- OS(基本ソフト)のバージョンが古く、新しい通信に対応していない
- 写真やアプリのデータで保存場所(ストレージ)の空きが少ない
- 使っていないアプリが裏で動いていて、作業領域(メモリ)を圧迫している
- 端末が古いWi-Fiの規格にしか対応していない
- 長年の使用で端末が劣化している
ルーターなどの接続機器の問題

スマホの通信速度が遅い原因として、Wi-Fiルーターや周辺機器の問題も挙げられます。ルーターは24時間365日動き続けている精密な機械です。ルーターの設置場所や使い方、機器の古さなどが原因で本来の性能を発揮できなくなることがあります。以下の点を確認し、見直すことで通信速度の改善につながります。
- ルーターの置き場所が悪い(家の隅、棚の奥、水槽や電子レンジの近くなど)
- 長年同じルーターを使い続けて性能が陳腐化している
- スマホやパソコン、ゲーム機などルーターに接続している機器が多すぎる
- 長時間つけっぱなしで熱がこもり、一時的に動作が不安定になっている
- ルーターを動かすプログラム(ファームウェア)が古いバージョンのままである
- 壁とルーターをつなぐLANケーブルが古い規格だったり、断線しかけたりしている
回線の問題
利用しているインターネット回線が原因で、スマホの通信速度が遅い可能性もあります。利用者が多い時間帯に回線が混み合ったり、住んでいる建物の環境や契約プランなどが影響したりすることで速度が低下します。集合住宅の回線共有やスマホの速度制限なども通信速度が遅くなる原因です。
自分では気づきにくい回線自体の問題が、通信の遅さを引き起こしている可能性があります。
サーバー側の問題
アクセスしているウェブサイトやアプリのサーバー側の問題で、スマホの通信速度が遅くなるケースもあります。サービスを提供しているコンピューター(サーバー)にトラブルが発生すると、処理が追いつかなくなるからです。サーバー側に以下の問題がある場合、通信が遅くなることがあります。
- アクセス集中
- システム障害やメンテナンス
- 利用者の急増
- サーバー性能の低さ
通信速度が遅いときにすぐできる対処法

通信速度が遅いときにすぐできる対処法は以下のとおりです。
- スマホやパソコンの再起動
- デバイスのメモリやストレージの確保
- ルーターの再起動と位置の調整
- 有線LANの利用
スマホやパソコンの再起動
通信速度が遅いと感じたときに簡単にできる効果的な対処法が、スマホやパソコンの再起動をすることです。費用もかからないので、不調を感じたらまず試しましょう。スマホやパソコンを長時間使っていると、自分では気づかないうちに一時的なエラーやデータが溜まっています。
スマホやパソコンを再起動することで、端末の動きを重くしていた内部の問題をまとめて解消できます。
デバイスのメモリやストレージの確保
通信速度が遅いと感じる場合は、メモリやストレージの空き容量を増やすことが効果的です。不要なデータを整理すると、端末の動きが軽快になり、通信速度が改善されることがあります。以下の方法で簡単に空き容量を確保できます。
- 不要なアプリの終了
- 未使用アプリの削除
- 不要な写真・動画の整理
- ブラウザキャッシュの削除
- アプリキャッシュの削除
- 不要なファイルの削除
定期的なデータ整理を心がけるだけで、スマホの快適な動作を維持することが可能です。
ルーターの再起動と位置の調整

Wi-Fiの通信速度が遅いときは、ルーターの再起動や置き場所の調整が効果的です。機器の一時的な不具合を解消したり、電波の通り道を確保したりするだけで通信環境が改善される場合があります。ルーターを再起動する方法は、電源コードをコンセントから抜き、数分待ってから再び差し込むだけです。
モデムとルーターが別々になっている場合は、先にモデムの電源を入れてランプの点灯が安定してから、ルーターの電源を入れます。ルーターの置き場所も通信速度に影響を与えるため、家の中心に近い、周りに障害物がない開けた場所を選びましょう。
床の上や棚の中、部屋の隅は避けて、床から1〜2mほどの高さにルーターを設置すると、電波が広がりやすくなります。電子レンジやコードレス電話機、テレビ、水槽、金属製の棚の近くは電波が弱まる原因になるので避けてください。アンテナ付きのルーターは電波を届けたい部屋へアンテナを向けると効果的です。
有線LANの利用
Wi-Fiの電波が不安定な場合は有線LAN接続を試しましょう。有線LANはWi-Fiと比べて通信が安定しやすく、速度も速くなる傾向があります。有線LANはルーターとパソコンなどをLANケーブルで直接つなぐ接続方法です。
壁や家具、他の家電製品からの電波の邪魔を受けないため、有線LANは通信が途切れにくい特徴があります。LANケーブルを挿す場所がないノートパソコンやタブレットでも、別売りの変換アダプタを使えば接続可能です。
スマホの通信速度が遅い問題を根本的に改善する方法

スマホの通信速度が遅い問題を根本的に改善する方法は以下のとおりです。
- 最新モデルのデバイスへの買い替え
- 高性能Wi-Fiルーターへの交換
- プロバイダやインターネットプランの見直し
最新モデルのデバイスへの買い替え
購入から3年以上が経過し、バッテリーの持ちやアプリの動作に不満があるなら、最新モデルのデバイスへの買い替えが効果的です。古いスマホは性能の限界から、新しい通信技術やアプリの要求に追いつけなくなるためです。
OSのサポートが終了した機種はセキュリティが弱くなるだけでなく、動作を快適にするための更新も行われなくなります。最新モデルのデバイスへ買い替えることで、古い機種が抱える速度の問題を根本から解決できます。
古い端末の下取りプログラムや携帯会社のキャンペーンを利用すれば、家計の負担を抑えながらの買い替えも可能です。
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高性能Wi-Fiルーターへの交換

通信速度の遅さを根本的に解決するには高性能なWi-Fiルーターへの交換が有効です。せっかく速い光回線を契約していても、ルーターが古いと本来のスピードが出ないケースが多くあります。古いルーターは昔の通信規格で作られているので、最新の光回線の速さに対応しきれません。
一方、最新のルーターは通信が速くて途切れにくく、家族みんなが同時にスマホやパソコンを使っても快適です。ルーターを選ぶ際は、通信の速さや家の広さ、つなぐ機器の数、電波の届きやすさを考慮しましょう。
ルーターの購入費用はかかりますが、毎日の通信のイライラが解消されるので、長い目で見れば満足度の高い買い物になります。
プロバイダやインターネットプランの見直し
プロバイダやインターネットプランを見直すと通信速度が改善され、毎月の通信費も節約できる可能性があります。契約してから一度も見直していない場合は、プランを見直しましょう。より速くて安いプランが登場していることも多く、乗り換えるだけで家計の大きな助けになります。
以下の点を確認してプランを見直すことで、ストレスのない快適なインターネット環境と家計の節約を両立できます。
- 契約プランと料金
- スマホとのセット割引
- 他社への乗り換え
- 乗り換えキャンペーン
- 更新月と解約費用
» 携帯・スマホ料金を安くしたい!効果的な方法と手順を一挙解説
スマホの通信速度が遅いときによくある質問
スマホの通信速度が遅いときによくある質問に回答します。

通信速度の単位は?
通信速度を表す基本の単位は「bps(bit per second)」です。bpsは「1秒間に送受信できるデータ量」を示す単位で、数字が大きいほど通信速度が速いことを意味します。料金プランなどでは、より大きな量を表すMbpsやGbpsの単位が一般的に使われています。
1,000Mbpsが1Gbpsに相当するため「1Gbps」のプランは「1,000Mbps」のプランと同じ速度です。通信速度には動画やサイトを見るときの「下り(くだり)」とメールや写真を送るときの「上り(のぼり)」の2種類があります。
光回線とその他の回線の違いは?
インターネット回線にはいくつか種類があり「通信の速さ」と「安定性」が異なります。光回線やモバイル回線、ケーブルテレビ回線などが代表的な回線です。回線によって、インターネットにつなぐために使う「線」や「電波」が異なります。速くて安定した通信環境を求めるなら、専用の線を引き込む光回線が最適です。
光回線は、自宅まで光ファイバーのケーブルを引き込むタイプで、通信が速く安定しています。高画質動画の閲覧やオンラインゲーム、家族で同時にインターネットを使う場合には光回線がおすすめです。モバイル回線(ホームルーターなど)は、スマートフォンと同じ電波を利用します。
モバイル回線は工事が不要で手軽に始められますが、光回線と比べると通信が不安定で速度が遅いことが難点です。ケーブルテレビ回線(CATV)はテレビ放送用のケーブルを使ってインターネットにつなぎます。ケーブルテレビ回線の速さや安定性は光回線とモバイル回線の中間です。
ADSL回線は昔ながらの電話線を使ったインターネット回線です。ADSL回線は通信速度が遅いため、現在では新しい申し込みはほとんど受け付けていません。回線は種類によってメリット・デメリットがあります。インターネットの使い方に合わせて、最適な回線を選びましょう。
動画視聴やオンラインゲームに必要な通信速度は?

動画視聴やオンラインゲームを快適に楽しむには、それぞれに必要な通信速度の目安があります。動画視聴に必要な通信速度の目安は標準画質で3Mbps、高画質(HD)で5Mbps、4K画質で25Mbps以上です。オンラインゲームの場合は、下り(ダウンロード)の速度が30〜100Mbps程度あると安心です。
オンラインゲームではデータのやり取りにかかる時間を示す「Ping値」の数値にも注目しましょう。Ping値が小さいほど操作の遅延が少なくなります。快適にゲームをするためのPing値は50ms以下が目安です。素早い反応が求められるアクションゲームや対戦型のゲームでは20ms以下のPing値が理想です。
複数の端末で同時に動画視聴やゲームを楽しむなら、安定して100Mbps程度の速度が出る光回線をおすすめします。
特定の時間帯に通信速度が遅くなるのはなぜ?
特定の時間帯に通信速度が遅くなる原因はインターネットを使う人が一斉に増えて、回線が混み合うためです。契約しているプロバイダ側の設備が利用者のアクセス集中に耐えられていない場合も、通信速度が遅くなります。
夜間や昼休みの時間、集合住宅など、多くの人が同じタイミングでインターネットを利用する場合、回線が混雑しやすくなります。
スマホの通信速度を改善して快適なネット環境を手に入れよう

スマホの通信速度はさまざまな方法で改善できます。通信速度が低下する理由はスマホ自体の問題やWi-Fiルーター、契約プランなどの影響が考えられます。まずは端末の再起動などの無料ですぐにできる対策から試しましょう。
対策をしても効果がない場合は、高性能ルーターへの買い替えや料金プランの見直しなど根本的な対策が有効です。快適なネット環境は家族の時間を豊かにし、日常のストレスを軽減してくれます。