多くの人がスマートフォンの料金を節約したいと考えています。方法としてSIMロックの解除がありますが、解除方法について知識がない人が多いのが現状です。この記事では、SIMロック解除の基礎知識から解除するメリット・デメリットについて解説します。記事を読めば、SIMロック解除の適切な方法がわかります。
SIMロックを解除すると他社のSIMカードが使えるようになり、幅広い料金プランの選択が可能です。使っていないスマートフォンの買取価格が上がる可能性があるため、SIMロックを解除して活用の幅を広げましょう。
SIMロック解除の基礎知識

SIMロック解除の基礎知識について、以下の内容を解説します。
- SIMカードの役割
- SIMロック解除による変化
- SIMロック解除の義務化
SIMカードの役割
SIMカードは携帯電話の重要な部品で、主な役割は携帯電話を識別した通信ネットワークへの接続です。SIMカードには電話番号や契約情報、通信事業者の認証情報などが記録されています。記録された情報をもとに、携帯電話は特定の通信事業者のネットワークに接続します。
SIMカードがあると、異なる端末間でのデータ移行が簡単に行えるのが特徴です。古い携帯電話から新しい携帯電話に変更するときは、SIMカードを差し替えるだけで電話番号や連絡先などの情報を引き継げます。海外旅行のときに国際ローミングサービスを利用できるのも、SIMカードのメリットです。
暗号化やPIN認証などのセキュリティ機能もあり、SIMカードは個人情報を守る役割も果たしています。
» SIMカードの基礎知識と設定方法をわかりやすく解説!
SIMロック解除による変化

SIMロックを解除すると、異なる通信事業者のSIMカードが使えます。通信プランの選択肢が広がり、自分に合ったサービスの選択が可能です。家族間での端末共有がしやすくなるため、子育て世帯にとっては便利です。MVNOサービスの利用も容易になり、通信費の節約につながります。
SIMロック解除の義務化
SIMロック解除の義務化は2015年5月から段階的に始まりました。2019年9月以降に発売された端末は購入後すぐに解除が可能です。2021年10月1日以降の新規契約端末は、SIMロックがかけられていない状態で販売されています。
義務化の目的は利用者の選択肢の拡大と、携帯電話市場の競争促進です。総務省が定めた「モバイルサービスの提供条件・端末に関するガイドライン」にもとづいて実施されています。対象となる端末はスマートフォンやタブレット、モバイルルーターです。
» モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針|総務省(外部サイト)
主要携帯キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)が対応しています。しかし、中古端末や旧モデルは一定期間経過後の解除となる場合があります。SIMロック解除の手続きは無料なため、経済的な負担はありません。海外渡航時や他社への乗り換え時に便利で、義務化により端末の利便性が向上しました。
SIMロックを解除するメリット

SIMロックを解除するメリットは、以下のとおりです。
- 他社のSIMカードが使えるようになる
- 買取価格が高くなる
他社のSIMカードが使えるようになる
SIMロックを解除すると、他社のSIMカードを自由に使えます。格安SIMを使用すると通信費の節約ができ、海外旅行時に現地のSIMカードを使用できる点がメリットです。端末の選択肢も広がり、好みの機種を自由に使えます。緊急時や災害時にも役立ち、他社のネットワークを利用できるため、通信の安定性も向上します。
通信事業者の乗り換えもスムーズで、新しいサービスやプランを試しやすい点も魅力です。
» 格安SIMとは?特徴から選び方、契約手順まで解説
買取価格が高くなる
中古市場での需要が高いため、SIMロックを解除すると端末の買取価格が高くなります。国内外問わず端末が使用できるため、買取業者が高値で買い取る点が理由です。海外での需要が特に高く、国際的に中古市場での価値が上昇します。SIMロックが解除されているとキャリアの制限がなくなるため、購入者が多くなります。
SIMロックが解除された端末は、SIMロックがかかったままの端末よりも高い買取価格が期待できる点がメリットです。
SIMロックを解除するデメリット

SIMロックを解除するデメリットは、以下のとおりです。
- 動作保証がされない場合がある
- 手数料がかかる可能性がある
動作保証がされない場合がある
SIMロックを解除すると、端末の動作保証が受けられない場合があります。理由は、メーカーやキャリアのサポート対象外となるためです。一部の機能が利用できなくなったり、修理の対応をしてもらえなかったりします。ソフトウェアアップデートの制限が入る点もデメリットです。
iPhoneでは、Apple社の公式サポートを受けられない可能性があります。Androidスマートフォンも、Google PlayストアやGoogleのサービスが利用できない可能性があります。動作保証の有無は端末やキャリアによって異なるため、SIMロックの解除前に必ず確認しましょう。
手数料がかかる可能性がある
SIMロック解除には手数料がかかる可能性があります。3,000円程度の手数料が発生しますが、状況によって異なります。手数料が発生するのは、端末購入から100日以内の場合です。中古端末は前の所有者の契約状況によって高額になることもあります。
解約済みの古い端末も、手数料が必要になる可能性があります。一方で、端末購入から101日以上経過していると、無料でSIMロックの解除が可能です。手数料の有無や金額は使用している端末やキャリア、購入時期によって異なります。SIMロックを解除するときは事前に確認しましょう。
SIMロック解除が必要か確認する方法

SIMロック解除が必要か確認する方法について、以下の機種別に解説します。
- iPhoneの場合
- Androidの場合
iPhoneの場合
iPhoneでSIMロック解除が必要か確認する方法は、設定アプリを開いて「一般」をタップします。「情報」をタップして「キャリア制限」または「SIMロックの状況」を確認してください。「SIMロックなし」と表示されていれば、すでにSIMロックが解除されています。
一方「SIMロックあり」と表示されている場合は、解除が必要です。項目が見当たらなければ、すでにSIMロックが解除されている可能性があります。iPhoneでのSIMロック状況の確認は簡単なので、ご自身の端末で試してみてください。
Androidの場合
AndroidのSIMロック解除の確認は、設定アプリを開きます。「システム」をタップして「詳細設定」を選択してください。「端末情報」をタップして「SIMのステータス」を選択します。「SIMロックの状態」を確認してください。
「ロックされていません」と表示されていれば、SIMロックは解除済みです。「ロックされています」と表示されている場合は、SIMロックがかかっている状態です。ただし、機種によって設定画面の構成が異なります。
「SIMロックの状態」が見つからないときや、表示内容がわかりにくい場合は端末メーカーのサポートページを確認してください。購入時の携帯会社に問い合わせるのもおすすめです。専門的な知識がなくても、サポート窓口で丁寧に教えてもらえます。
SIMロック解除の方法

SIMロックの主な解除方法は、以下のとおりです。
- 店舗
- Webサイト
- 電話
店舗
各携帯キャリアのショップでSIMロックの解除が可能です。店舗で解除すると専門スタッフによるサポートが受けられ、解除の確認もできます。機種によっては店舗での解除が必須です。解除には本人確認書類が必要なため、忘れずに持参しましょう。手数料が必要な場合もあるため、事前に確認してください。
所要時間は店舗によって異なり、15分~1時間程度かかります。混雑状況によっては待ち時間が発生するため、余裕を持って訪問しましょう。店舗によっては予約優先の場合もあるため、スムーズに手続きを進めたい人は予約をおすすめします。
Webサイト

キャリアのWebサイトでのSIMロックの解除は、忙しい人に便利です。自宅で手続きができるため、時間や手間がかかりません。Webサイトでの解除の手順は、以下のとおりです。
- 各キャリアのウェブサイトにアクセスする
- SIMロック解除の専用ページを探す
- 機種名やIMEI番号、電話番号を準備する
- フォームに入力する
- 本人確認書類をアップロードする
- 申請する
- 指示に従ってSIMロックを解除する
最後に解除完了のメッセージが届くと、手続きは終了です。ただし、ウェブサイトでの手続きが不安な人は、店舗や電話での解除も検討してください。自分に合った方法を選びましょう。
電話
電話での解除は自宅で手続きが可能なため、忙しい人におすすめです。事前に本人確認情報の準備が必要です。キャリアのカスタマーサポートに電話し、オペレーターの指示に従ってください。手続き完了後は、端末を再起動して設定を反映させます。24時間以内に解除が完了しなければ、問い合わせが必要です。
一部の古い機種では、電話での解除に対応していない場合があります。混雑時は待ち時間が長くなるため、時間に余裕を持って電話をかけましょう。解除完了後の設定方法もオペレーターに確認できます。電話での手続きは、疑問点をすぐに解決できるためおすすめです。
SIMロック解除時の注意点

SIMロック解除時の注意点は、以下のとおりです。
- 対応周波数帯に注意する
- データのバックアップをとる
対応周波数帯に注意する
SIMロック解除後に通信するためには、対応周波数帯に注意してください。携帯電話会社によって使用する周波数帯が異なるため、端末が対応していなければ通信できません。端末とSIMカードの周波数帯を調べましょう。完全に一致しなくても、主要な周波数帯が対応していれば問題ありません。
しかし、不安な場合は携帯電話会社への問い合わせが必要です。事前の確認を怠ると、SIMロックを解除しても通信できない可能性があります。十分に注意しましょう。
データのバックアップをとる
SIMロック解除の前に、データのバックアップをとる必要があります。万が一のトラブルに備えて、スマートフォンの大切なデータを保護しましょう。バックアップの方法はパソコンや外部ストレージ、SDカードへの保存や、クラウドサービスの利用などがあります。
連絡先や写真、アプリのデータなど、日常的に使用する情報のバックアップが必要です。iPhoneユーザーはiCloudを、AndroidユーザーはGoogleアカウントを活用すると便利です。バックアップが完了したら、実際にデータを復元できるかどうかテストしましょう。
SIMロック解除後の利用方法

SIMロック解除後に必要な対応について、以下の内容を解説します。
- 新しいSIMカードの選び方
- 契約手続きの流れ
新しいSIMカードの選び方
SIMロックの解除後は、新しいSIMカードを選択して契約する必要があります。新しいSIMカードを選ぶときは、以下の内容を確認しましょう。
- 通信速度
- 通信容量
- 契約期間
- 解約金
- カバーエリア
- 端末との互換性
- 料金プラン
- キャンペーンや割引
- サポート体制
- 追加のサービス
他のユーザーの評判や口コミを参考にすると、実際の使用感がわかります。ポイントを押さえて、自分に最適なSIMカードを見つけましょう。
» SIMの種類と選び方を徹底解説!
契約手続きの流れ
契約手続きは新しい携帯電話会社を選び、希望のプラン決定から始まります。身分証明書やクレジットカードなどが必要なため、事前に用意してください。申し込み方法はオンラインか店舗のどちらかを選べます。本人確認や契約内容の確認後に支払い方法を設定し、SIMカードを受け取ります。
SIMカードを端末に挿入したら、初期設定が必要です。必要なアプリをダウンロードして設定し、動作確認で問題がなければ利用できます。不安な点があれば、携帯電話会社のサポートに問い合わせましょう。
まとめ

SIMロックを解除すると他社のSIMカードを使用でき、通信プランの選択肢が広がります。端末の買取価格が上がるメリットもあります。しかし、動作保証がされない場合や手数料が発生するなどの注意点もあるため、慎重に検討してください。SIMロックは店舗やWebサイト、電話で解除できます。
SIMロックの解除は、スマートフォンの活用方法を広げる有効な手段です。適切に手続きを進め、快適にスマートフォンを利用しましょう。