格安SIMに変えて毎月の携帯電話料金を安くしたいものの、種類が多く最適なSIMがわからない人は多くいます。概要を理解しなければ、乗り換えはうまくいきません。この記事では、SIMの基礎知識や種類、確認する方法、選び方を解説します。記事を読めば、自分に最適なSIMカードがわかります。
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SIMの基礎知識

SIMは小さなICチップで、携帯電話の通信をするために不可欠です。SIMの基礎知識として役割と挿し方・取り外し方について解説します。
SIMの役割
SIMには以下の役割があります。
- 端末の固有情報を保存
- 通信事業者の回線に接続
- 契約者情報の記録
- 通話やインターネットへの通信
SIMには連絡先やSMSの情報が記録されています。端末を変更する際は簡単にデータの移行が可能です。暗号化キーの使用や通信内容の保護など、セキュリティ面での役割もあります。第三者による盗聴や不正アクセスの防止が可能です。海外に渡航した際の国際ローミングサービスも搭載されています。
SIMの挿し方・取り外し方
SIMの挿し方・取り外し方の手順は以下のとおりです。
- スマートフォンの電源を切る
- 専用のピンやクリップを使ってSIMトレイを取り出す
- トレイから古いSIMを取り出す
- 新しいSIMを正しい向きでトレイに配置する
- SIMトレイをスマートフォンに挿入する
- 電源を入れる
SIMは傷つきやすいため、取り扱いには注意が必要です。清潔で平らな場所で作業すると、SIMに傷がつきにくくなります。取り外したカードは大切に保管しましょう。
SIMのサイズの種類

SIMのサイズは以下の4種類です。
- 標準SIM(miniSIM)
- microSIM
- nanoSIM
- eSIM
標準SIM(miniSIM)
標準SIMは、最も古い規格です。サイズは25mm×15mmと他のSIMカードに比べて大きい特徴があります。2010年以前の古い端末で使用されていましたが、現在では多くの端末で対応していません。標準SIMは取り扱いが容易です。データ容量は他のサイズと同じです。
標準SIMを使用している場合は、新しい端末に買い替える際にサイズ変更が必要になる可能性があります。変更の際は携帯電話会社に相談し、適切なサイズのSIMカードに変更しましょう。
microSIM
microSIMは、12mm×15mmのサイズで、標準SIMとnanoSIMの間の大きさです。2003年にNokiaが開発し、iPhone4やiPad2での導入をきっかけに広く普及しました。多くのAndroidスマートフォンでも使用されています。標準SIMからカットして作成でき、アダプターを使用して標準SIMのスロットに挿入できます。
サイズは小さいものの、データ容量は標準SIMと同じです。microSIMは現在でも一部の端末で使用されていますが、より小さいnanoSIMへの移行が進んでいます。microSIMを使用する際は、端末の対応可否を確認しましょう。対応していない場合は、アダプターを使用するか別のサイズのSIMを選ぶ必要があります。
nanoSIM

nanoSIMは8.8mm×12.3mm×0.67mmの超小型サイズのSIMです。iPhone5以降のスマートフォンで広く導入されています。標準SIMやmicroSIMから切り取って作成でき、他のサイズと容量や機能は変わりません。コンパクトなサイズで、端末の小型化や大容量バッテリーの搭載が可能になりました。
サイズが小さいため、取り扱いや保管には注意が必要です。SIMカードの交換時は専用のピンツールを使用し、紛失に注意しましょう。他のサイズのSIMスロットに挿入する場合は、アダプターを使用します。nanoSIMは最新の規格であり、今後も多くのスマートフォンでの使用が予想されます。
端末を買い替える際は、nanoSIMに対応しているかを確認しましょう。
eSIM
eSIMはスマートフォンやタブレットに内蔵された仮想のSIMです。現物のカードは必要ありません。eSIMの特徴は以下のとおりです。
- リモートでキャリアの切り替えができる
- 1つのデバイスで複数のプロファイルを管理できる
- 国際ローミングの利便性が高い
- プラスチック使用量の削減で環境にやさしい
- SIMカードの紛失や破損のリスクがない
- デバイスの防水性能が向上する
最新のスマートフォンはeSIMに対応しており、通信事業者によってはeSIM専用プランも提供されています。
SIMの機能の種類

SIMの種類別の基本機能を紹介します。
音声通話SIM
音声通話SIMは、通話とデータ通信の両方が可能です。電話番号は使用中のスマートフォンに割り当てられます。緊急通報やSMSの送受信にも対応しています。月額料金が比較的高めです。通話料金が別途発生する場合も多いため、注意しましょう。音声通話SIMを契約する際は、本人確認が必要です。
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)に対応しており、番号を変えずに他社への乗り換えが可能です。家族割引などの特典が適用されており、通話定額プランを選択できる場合もあります。
» MNPとは?お得に携帯会社を乗り換える方法と注意点
データ通信SIM(SMS対応)

データ通信SIM(SMS対応)には、音声通話機能はありません。別途オプションで申し込むと、SMSの送受信が可能です。月額料金が音声通話SIMより安価なため、通信費の節約につながります。使用中の端末から他のデバイスへのテザリングが利用できるため、Wi-Fiルーターのように利用するのもおすすめです。
通話機能がないタブレットやモバイルルーター向けですが、一時的な利用や副回線での利用も可能です。海外でのデータ通信に対応しているプランもあるため、旅行や出張の際に役立ちます。データ通信SIM(SMS対応)は、音声通話機能が不要で、データ通信とSMSのみを使いたい場合におすすめです。
データ通信SIM(SMS非対応)
データ通信SIM(SMS非対応)は、インターネット接続とアプリ利用に特化したSIMです。通話機能やSMS機能がないため、最も安価な料金プランで利用できます。データ通信SIMは、タブレットやモバイルルーター向けに提供されています。テザリングができ、外出先で他のデバイスをインターネットに接続する際に便利です。
音声通話には対応していないため、110番や119番などの緊急通報ができない点に注意しましょう。端末によっては利用制限があるため、購入前に確認が必要です。家族で複数のデバイスを使う場合、データ通信SIM(SMS非対応)を活用すると、通信費の節約につながります。
SIMの種類を確認する方法

SIMの種類を確認する方法は以下のとおりです。
- スマートフォンの説明書で確認する
- 携帯電話会社やMVNOの公式サイトで確認する
- 端末からSIMカードを取り出して確認する
スマートフォンの説明書で確認する
スマートフォンの説明書を確認すると、端末に適したSIMの種類を正確に把握できます。説明書で確認できる情報は以下のとおりです。
- 対応するSIMのサイズ
- SIMカードの挿入口の位置
- 正しい挿入方法
- 音声通話やデータ通信の対応状況
- デュアルSIM対応の有無
- eSIM対応の有無
説明書の目次や索引でSIMカードやSIMに関する項目を探すと、必要な情報を素早く見つけられます。SIMの取り扱い上の注意点も記載されているため、端末を使用する際の参考にしましょう。
携帯電話会社やMVNOの公式サイトで確認する

携帯電話会社やMVNOの公式サイトでは、使用中の端末に適したSIMの種類を確認できます。正確な情報を得るために最も確実な方法です。公式サイトには端末別のSIM情報が掲載されており、機種名や型番を検索すると対応するSIMサイズを確認できます。
契約中のプランや料金プランのページにもSIMの情報が記載されています。公式サイトで情報が見つからない場合は、よくある質問を確認しましょう。該当する解決方法が見つからない場合は、カスタマーサポートへの問い合わせが効果的です。公式サイトを活用すると、使用中の端末に適したSIMの種類を正確に把握できます。
» MVNOとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方を解説
端末からSIMカードを取り出して確認する
実際に端末からSIMカードを取り出すと、カードの種類を直接確認できます。SIMカードを取り出す手順は以下のとおりです。
- 端末の電源を切る
- SIMトレイの位置を確認する
- SIMピンをトレイの小さな穴に挿入する
- トレイからSIMカードを取り出してサイズを確認する
必要に応じて、SIMカードの端子部分も確認する必要があります。端子部分に触れないように注意してください。確認が終わったら、SIMカードをもとの向きでトレイに戻しましょう。
SIMの種類の選び方

SIMの種類の選び方は以下のとおりです。
- 端末のSIMトレイサイズを確認する
- 利用目的に合ったSIMを選ぶ
端末のSIMトレイサイズを確認する
SIMの種類を選ぶ際は、端末のSIMトレイのサイズを確認しましょう。正しいサイズのSIMを選ばないと、使用できない可能性があります。SIMトレイサイズを確認する方法は以下のとおりです。
- 取扱説明書
- 端末の設定メニュー
- 端末のSIMトレイ
- インターネット
設定メニューの場所は機種によって異なるため、注意してください。サイズが見つからない場合は、購入した店舗や携帯電話会社に問い合わせましょう。現在使っているSIMのサイズの確認も参考になります。サイズが合わない場合は、SIMカードアダプターを使うと対応できる場合もあります。
利用目的に合ったSIMを選ぶ
自分の利用目的に合ったSIMを選びましょう。利用目的別のSIMタイプは以下のとおりです。
利用目的 | おすすめのSIMタイプ |
通話とデータ通信の両方が必要 | 音声通話SIM |
データ通信のみ必要 | データ通信SIM |
SMSの利用が必要 | 音声通話SIM SMS対応のデータSIM |
長期利用 | 音声通話SIM |
短期利用 | データ通信SIM |
海外での利用 | 国際ローミング対応SIM |
データ容量は、使用頻度や目的に応じて選んでください。動画視聴やダウンロードを頻繁に行う場合は、大容量プランが必要です。家族での利用を考えている場合は、家族割引のあるプランを利用すると月額料金が安くなる場合があります。
SIMの種類に関するよくある質問

SIMの種類に関するよくある質問と回答を紹介します。
デュアルSIMの特徴は?
デュアルSIMとは、1台のスマートフォンで2つのSIMを同時に使用できる機能です。利便性が大幅に向上します。デュアルSIMのメリットは以下のとおりです。
- 仕事用と私用の番号の使い分けができる
- 海外旅行時のSIM併用ができる
- データ通信と音声通話のプランを組み合わせられる
- 複数キャリアサービスを利用できる
デュアルSIMには、デュアルスタンバイとデュアルアクティブの2種類があります。デュアルスタンバイは、2つのSIMを待ち受け状態にできますが、同時には使用できません。デュアルアクティブは、2つのSIMを同時に使用可能です。ただし、電池の消費が若干増える可能性があります。
すべてのスマートフォンで対応しているわけではありません。デュアルSIMは、2つの回線を効率的に管理したい方や、海外でも快適に通信したい方におすすめです。使い方次第で通信費の節約につながります。
マルチカットSIMって何?

マルチカットSIMは、1枚のSIMカードで複数のサイズに対応できるSIMです。標準SIMやmicroSIM、nanoSIMのいずれかのサイズに変更が可能です。SIMカードにある線に沿って切り取るとサイズを調整でき、SIMサイズが異なる端末でも同じカードを使用できます。
マルチカットSIMの特徴は、柔軟性が高く端末に合わせてサイズ変更ができる点です。MVNOやSIMフリー端末向けに提供されており、一度切り取るともとのサイズには戻せません。切り取る際は慎重に作業してください。正確にサイズ変更をしたい場合は、専用のカッターを使用しましょう。
異なる端末で同じSIMカードは使える?
異なる端末でも同じSIMカードを使用できますが、条件を満たす必要があります。端末のSIMカードスロットのサイズが、使用中のSIMカードと合っているか確認しましょう。端末のSIMロックにも注意が必要です。SIMロックがかかっていると、他社のSIMカードを使用できません。
利用する前に、端末の互換性や携帯電話会社によるSIMカードの使用制限を確認してください。
» SIMフリーとは?SIMフリースマホの選び方を解説
まとめ

SIMカードは、携帯電話で通信をするために不可欠です。入れ替える際は、壊さないように適切な手順で行いましょう。SIMには、3種類のサイズと携帯に内蔵されているカードがないeSIMがあります。使い方によって音声通話機能やSMSの有無を選びましょう。
使用している端末のSIMの種類を確認するには、説明書や公式サイトで確認してください。デュアルSIMやマルチカットSIMを理解して活用すると便利に使えます。SIM種類を理解すると、乗り換えもスムーズに行えます。
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