家族が増えるにつれて通信費が膨らみ、家計が圧迫されている人は多いです。この記事では、格安SIMのメリットやデメリット、選び方から契約手順まで解説します。記事を読めば、格安SIMを利用して通信費を削減可能です。格安SIMを利用すると、大手キャリアの半額以下で携帯電話を利用できます。
格安SIMとは大手キャリアよりも安価なSIMサービス

格安SIMは、大手キャリアより月額料金が安い携帯電話サービスです。MVNOと呼ばれる事業者が、大手キャリアの回線を借りて運営しています。通話やデータ通信が可能で、端末にSIMカードを挿入するだけで利用できます。データ通信専用や音声通話付きなど、さまざまなプランがあるのも特徴です。
格安SIMは初期費用が安く、契約期間の縛りが少ないです。
» MVNOとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方を解説
格安SIMが安い理由

格安SIMが安い理由として、以下の2点を解説します。
- 大手キャリアから回線を借りている
- オンライン中心のサービスを提供している
大手キャリアから回線を借りている
格安SIMが安い理由は、大手キャリアの通信設備を借りて事業を展開しているからです。格安SIM事業者は通信設備の維持管理にお金をかける必要がないため、利用料を抑えられます。大手キャリアの通信網を利用できるため、格安SIMでも安定した通信サービスを提供可能です。
ただし、通信が混雑する時間帯では通信速度が低下するため注意が必要です。格安SIM事業者は設備投資を抑え、大手キャリアは回線貸出料という収入を得られます。格安SIM事業者と大手キャリアの協力関係があるからこそ、格安SIMは安価なサービスを提供できます。
オンライン中心のサービスを提供している
オンラインを中心とした運営方式も、格安SIMが安い理由です。実店舗を持たずにインターネット上で手続きを完結させるため、コスト削減を実現しています。サービス運営の効率化のために、格安SIMが取り入れている仕組みは以下のとおりです。
- 契約手続きをウェブサイトで完結
- 困ったときはチャットやメールでサポート
- 請求書や重要なお知らせをデジタルで送付
- 最新情報をウェブサイトで発信
オンライン運営により、格安SIMは人件費や家賃などの固定費を削減しています。スマートフォンの設定や契約内容の確認は、自分で行う必要があるので注意してください。
格安SIMのメリット

格安SIMのメリットとして、以下の4点を解説します。
- コストパフォーマンスに優れている
- 契約形態の縛りが少ない
- プランの選択肢が多い
- 使用中の端末をそのまま使える
コストパフォーマンスに優れている
格安SIMはコストパフォーマンスが優れており、大手キャリアの半額以下の料金で利用可能です。格安SIMが価格の安い理由は、以下のとおりです。
- 通信量に合わせてプランを選べる
- サービスをシンプルにしている
- 割引サービスを提供している
- 端末代金と通信費を分けて支払える
通信品質は大手キャリアと変わらないため、節約をしたい人は格安SIMを利用しましょう。
契約形態の縛りが少ない
大手キャリアと比べて、格安SIMは契約時の制約が少ないです。利用者は利用状況に合わせて自由にサービスを選択できます。最低利用期間や解約金などの制約が緩やかで、契約期間も自動的に更新されません。海外滞在時には、利用を一時的に休止できます。SIMロックのかかっていない携帯電話端末も使用可能です。
他社への乗り換えも手軽であり、自分に最適なサービスを柔軟に選べます。
プランの選択肢が多い

格安SIMは、データ通信専用プランから通話付きプランまで、さまざまなプランの選択が可能です。データ容量は1GB未満の少量プランから50GB以上の大容量プランまで幅広いです。家族割引や学割といった割引も提供されています。格安SIMから提供されている料金プランは、以下のとおりです。
- 使った分だけ料金が発生する従量制プラン
- 定額で利用できる定額制プラン
- 短期間だけ利用できる期間限定プラン
- 特定のサービスが使い放題になるプラン
高速通信可能な5Gプランや、余ったデータ容量を翌月に繰り越せるプランなどもあります。
使用中の端末をそのまま使える
使用中の端末をそのまま使えるのも、格安SIMの特徴です。新しい端末を買う必要がないため、費用を抑えられます。iPhoneやAndroidなど、多くの機種で格安SIMを利用できます。ただし、機種によってはSIMロック解除が必要なので注意してください。
使用中の端末をそのまま利用でき、データ移行の手間も省けます。費用を節約したい人は、格安SIMの利用がおすすめです。
格安SIMのデメリット

格安SIMのデメリットとして、以下の4点を解説します。
- 混雑時に通信速度が低下する
- 店舗サポートが限定されている
- 自分で初期設定が必要になる
- キャリアメールが使えない
» 自分のニーズに合わせて選ぶ!格安SIMのデメリットと向いている人の特徴
混雑時に通信速度が低下する
格安SIMは、大手キャリアと比べて通信の優先順位が低いです。混雑時には、格安SIMの通信速度が遅くなるため注意してください。夕方から夜の時間帯には速度が低下するため、動画を見たり、ゲームを楽しんだりする際には支障をきたす可能性があります。通信速度の低下は、地域や時間帯、周辺の人口密度によって変化します。
都市部など人が多く集まる場所では、速度低下が起きやすいため注意してください。一部の格安SIMでは追加料金を支払うと、通信速度を確保できるサービスを提供しています。どのようにスマートフォンを使うかを考えてから、格安SIMの利用を検討しましょう。
店舗サポートが限定されている
格安SIMは、店舗でのサポートが限定されています。実店舗が少ないため、対面での相談や案内を受けるのが難しいです。店舗サポートが限定されるデメリットは、以下のとおりです。
- 端末の不具合時での対応が困難
- 使い方などへの対応が限定的
- 緊急時のサポート体制が限定的
ただし、格安SIMはオンラインサポートやコミュニティなどのサポートを用意しています。サポートの必要性を考慮したうえで、格安SIMの利用を検討しましょう。
自分で初期設定が必要になる

格安SIMの利用を始めるには、初期設定を自分で行わなければいけません。APN設定の入力や端末の設定変更、SIMカードの取り付けなどが必要です。オンラインマニュアルやFAQは参照できます。初期設定を終えられれば、通常と同じように使えます。
キャリアメールが使えない
格安SIMに乗り換えた場合、キャリアメールが使えません。キャリアメールを使えないデメリットは、以下のとおりです。
- メールアドレスを通知する手間がかかる
- データを移行しなければいけない
- 銀行などでの再認証をしなければいけない
格安SIMに乗り換える際には、Gmailなどのフリーメールサービスに移行するのをおすすめします。フリーメールに移行すると携帯電話会社を変更する際に、メールアドレスを変える必要がありません。
格安SIMの選び方

格安SIMの選び方として、以下の3点を解説します。
- データ容量
- 通話オプションの有無
- 対応エリア
データ容量
携帯料金を抑えるためにも、自分に合ったデータ容量を選ぶことが大切です。スマートフォンの設定画面で、月間データ使用量を確認しましょう。動画や音楽のストリーミング利用、テザリング利用なども考慮しなければいけません。格安SIMのデータ容量は1~20GB以上と、さまざまです。
毎月のデータ使用量は変動するため、実際の使用量よりも余裕をもったプランを選択するのをおすすめします。使い切れなかったデータを、翌月に繰り越せるサービスの有無も確認すると安心です。通信速度の制限についても注意が必要です。格安SIMでは、月間のデータ容量を超過すると通信速度が低下します。
制限がかかる条件や速度を事前に確認しておくのが大切です。データ容量が不足した場合の追加料金についても比較しておくと安心です。家族で利用する場合は、複数回線をまとめて契約して、割引料金を適用しましょう。
通話オプションの有無

格安SIMを選ぶ際は、通話機能も確認しましょう。格安SIMが提供している通話オプションは、以下のとおりです。
- 1回10分までの通話無料
- かけ放題プラン
- 家族間通話無料サービス
通話オプションの内容や通話料金は事業者によって異なるので、確認してください。通話アプリを利用すると、通話料金を抑えられます。SIMカードにはデータ通信専用のタイプもありますので、事前に確認しましょう。通話品質も大切です。通話品質が悪い格安SIMもあるため、利用者のレビューも事前に確認しましょう。
緊急通報への対応も、安全面から確認しておくと安心です。
対応エリア
格安SIMは大手キャリアと同様に、全国のLTE/4G回線エリアで利用できます。都市部では5Gも提供されていますが、山間部では一部制限されているため注意してください。海外でも事前設定により、ローミングサービスを利用できます。
ただし、高層ビルや地下駐車場などでは電波が届きにくいため、利用前に電波状況を確認しましょう。
格安SIM契約の手順

格安SIM契約の手順として、以下の5点を解説します。
- 現在の契約内容を確認する
- MNP予約番号を取得する
- 新規申し込み手続きを行う
- SIMカードを受け取る
- APN設定と動作確認を行う
現在の契約内容を確認する
格安SIMに乗り換える前に、現在の契約内容を確認しましょう。確認が必要な項目は、以下のとおりです。
- 現在の料金プランとデータ通信量
- 通話に関するオプションの利用状況
- 契約期間と解約時に発生する料金
- スマートフォンの分割払い残額
- 家族割引などの各種割引サービス
- 契約者の名義
上記の情報は、契約書類や請求書で確認できます。携帯会社のマイページにログインすれば、契約内容をいつでも確認可能です。事前に契約内容を把握し、格安SIMへの乗り換えをスムーズに行いましょう。
MNP予約番号を取得する

MNP予約番号とは、携帯会社を変更する際に必要な番号です。格安SIMへ乗り換える場合、現在契約している携帯会社からMNP予約番号を取得しましょう。MNP予約番号を取得する際は、氏名や生年月日、契約者番号などの情報が必要です。
MNP予約番号の有効期限は15日間なので、期間内に格安SIMへ申し込んでください。MNP予約番号の取得前に解約金などを確認しておくと、予期せぬ出費を防げます。
» MNPとは?お得に携帯会社を乗り換える方法と注意点
新規申し込み手続きを行う
格安SIMに申し込む際は公式サイトにアクセスし、自分に合った契約プランを選択しましょう。申し込みフォームでは、以下の情報を入力してください。
- 氏名(フルネーム)
- 現住所
- 生年月日
- MNP予約番号
本人確認のため、身分証明書の画像もアップロードも必要です。入力が完了したら支払い方法を選択し、契約内容を確認します。内容に問題がなければ、申し込みボタンを押しましょう。契約書類への署名を、電子署名または郵送で対応してください。初期費用の支払いを済ませると、新規申し込みの手続きは完了です。
SIMカードを受け取る

格安SIMに契約すると、SIMカードが郵送で届きます。SIMカードを破損しないよう、台紙から慎重に取り外します。端末に使われているSIMカードのサイズを確認し、必要であればサイズ調整を行ってください。端末への挿入は電源を切ってから行い、SIMカードの向きに注意して差し込みます。
» SIMカードの基礎知識と設定方法をわかりやすく解説!
APN設定と動作確認を行う
格安SIMを使い始める際は、APN設定と動作確認も行ってください。APN設定と動作確認の手順は、以下のとおりです。
- SIMカードをスマートフォンに挿入する
- 設定画面からAPN設定を開く
- 提供されたAPN情報を入力する
- 設定を保存して再起動する
設定完了後は、実際に使用できるか確認します。インターネットへの接続や通話、メッセージの送受信ができるかを確認してください。アプリも問題なく動作するか確認しましょう。設定がうまくいかない場合は、サポートセンターに相談してください。設定作業を完了すれば、通常通りにスマートフォンを使用できます。
まとめ

結婚や子育てを機に家計の見直したい人は、格安SIMをおすすめします。格安SIMはコストパフォーマンスに優れており、契約の制約も少ないです。ただし、カスタマーサポートが限られているため注意してください。格安SIMを選ぶ際はデータ容量や通話の頻度、エリアなどを事前に確認しましょう。
事前確認すると、自分に合った最適なプランを見つけられます。格安SIMを契約する際は、SIMカードを受け取ったうえで、初期設定を自分で行う必要があります。始めに手間はかかりますが、毎月の支出を抑えたい人は格安SIMを利用しましょう。